フランス語のリエゾン(liaison)/連音とは

フランス語のリエゾン(liaison)/連音の規則

リエゾン(liaison)とは

リエゾン(liaison)とは、単独で読む場合は発音されない語尾の子音が、次の語が母音または無音のh)で始まるときにその音と一緒に発音される現象のこと。

– Wikipedia – リエゾン

 

リエゾンは常に行う場合liaisons obligatoires)としてはならない場合liaisons interdites)、また、自由な場合liaisons facultatives)とがある。

 

 

リエゾンの発音の規則(1) -x, -s, -zは[z]となる

単語の最後が子音の-x, -s, -zで終わる場合、[z]の音となる。

例)

six aubergines(六つのナス)

dix heures(十時)

des abricots(いくつかのアプリコット)

chez elle(彼女の家)

 

 

リエゾンの発音の規則(2) -nは[n]となる

単語の最後が子音の-nで終わる場合、[n]の音となる。

例)

un avocat(弁護士)

un achat(ひとつのものを買うこと)

 

 

リエゾンの発音の規則(3) -t, -dは[t]となる

単語の最後が子音の-tまたは-dで終わる場合、[t]の音となる。

子音が-dの場合も[t]の音となることに注意。

例)

petit ami(彼氏)

petit objet(小さなもの)

grand escalier(大階段)

 

 

リエゾンの発音の規則(4) -rは[R]となる

単語の最後が子音の-rで終わる場合、[R]の音となる。

例)

premier article(一番目の記事)

sur une feuille(一枚の紙の上)

 

 

リエゾンの発音の規則(5) -fは[v]となる

単語の最後が子音の-fで終わる場合、[v]の音となる。

例)

neuf heures(九時)

neuf ans(九歳)

 

 

リエゾンを常に行う場合

冠詞/指示形容詞/所有形容詞+名詞(un déterminant + nom)

例)un article(ひとつの記事), ces armoires(これらのクローゼット), mes achats(私の買い物)

 

形容詞+名詞(un adjectif + nom)

例)petit objet(小さなもの)

 

数+名詞の場合(les nombres + nom)

例)trois antiquaires(三つのアンティークショップ)

 

人称代名詞/on+名詞(un pronom sujet + verbe)

例)on adore(私たちは敬愛する)

 

一音節の前置詞の後(après une préposition d’une syllabe)

例)dans une pays(一国のなかで), en été(夏に)

 

短い副詞の後(après les adverbes courts)

例)moins encombrant(よりやっかいではない), très agréable(非常に素晴らしい), bien aménagé(よく整備された)

 

 

リエゾンしてはいけない場合

主語名詞と動詞の間(entre le sujet nominal et le verbe)

例)Le président (X) est élu(大統領が選出される)

 

二つの事柄の間(entre deux groups en général)

例)libres et égaux (X) en droit(自由かつ権利において平等な)

 

単数名詞の後(après un nom singulier)

例)un résident (X) étranger(外国の住居者)

 

“et(~と)”の後(après “et”)

例)et (X) égaux(そして平等である)

 

有音の“h”の前(avant “h” aspiré)

例)un (X) hasard(偶然)

 

数字の途中(dans les nombres)

例)quatre-vingt (X) un(八十一)

 

 

なぜ正しくリエゾンすることが大切なのか

例えば、Elle aime(彼女は好きだ)という文とElles aiment(彼女達は好きだ)という文は、前者と後者は主語が単数形と複数形とで異なるが、ElleEllesaimeaimentはそれぞれ単独で読むと全く同じ発音となり、耳で聞いただけでは区別がつかない

しかし、Ellesaimentを文章としてつなげて読むと、Ellesの語末のsaimentの母音との間でリエゾンが起こり、s[z]の音として発音される。

Elle aime(彼女は好きだ)

Elles aiment(彼女達は好きだ)

このように、リエゾンしなければ全く同じ発音となる文章も、リエゾンすることで音のみで文章の意味を正しく表現することができる。

 

別の例)

Il achète(彼は買う)

Ils achètent(彼らは買う)

 

 

アンシェヌマン(enchaînement)とリエゾン(liaison)の違い

リエゾン(liaison)は、本来は発音されない単語の語尾の子音が、後続する単語の母音と結びついて発音される現象である。

フランス語の発音の独特のルールとして、リエゾンとは別に、アンシェヌマン(enchaînement)がある。

アンシェヌマン(enchaînement)とは、発音される単語の語尾の子音が、次の語の始めの母音と一緒に発音される現象をいう。

リエゾンは、発音されない子音が次の語の母音一緒に発音される現象であるのに対し、アンシェヌマンは、発音される子音が次の語の母音一緒に発音される現象のこと。

 

 

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