フランス語の独特なRの発音の仕方と練習方法です。Rの音は日本語にはない非常に特徴的な音ですが、フランス語の中で一番頻繁に使用される子音であるため、フランス語学習者は避けては通れません。
フランス語のRの発音記号
国際音声記号(IPA)に基づくフランス語のRの発音記号は、厳密には[ʁ]・[ʀ]・[r]の三種類あり、フランス国内においても地域によって発音される音に違いがある。
フランス語の教科書等では、Rの発音記号は一般的には[r]または[ʀ]で表記されていることが多い。
主にフランス北部で用いられ、「パリのR音」と呼ばれるフランス語の標準的な発音のRは国際音声記号では[ʁ]と表記される。
IPAにおける[ʁ]の音声:
参考) [ʁ]の発音: Wikipedia – 有声口蓋垂摩擦音
IPAにおける[ʀ]の音声:
参考) [ʀ]の発音: Wikipedia – 口蓋垂ふるえ音
ここでは、様々なRの発音の細かな違いはひとまず置いておき、一般的なフランス人に理解されるRの音の発音方法を紹介します。
Rの発音方法(1)うがいをする音で発音
日本語でフランス語のRの音を表現する際に一番よく引き合いにだされるのが、うがいをするときのガラガラガラというのどちんこを震わせる音です。
音のイメージを掴むために、まずは普通にうがいをしてみましょう。
慣れてきたら、口には水は含まずに「空のうがい」をします。その際に、痰を切るような、「ガッ」「ゴッ」といった音が出てくるかと思います。
そのままでは少し汚らしい音になってしまうので、「空のうがい」をした際に発せられる「ガッ」「ゴッ」という音を力まずに軽く流すように発音できるようになれば、より自然なフランス語のRの音になります。
Rの発音方法(2)熊またはライオンの鳴き声をまねる
フランス語のRの音のイメージを掴むうえで、うがいの音とは別におススメしたいのが、熊やライオンの「Grrrr!」という鳴き声です。
古い映画が好きな方は、Metro Goldwyn Mayer studios(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の映画のオープニングのイメージといったら伝わるでしょうか。
人間が熊やライオン等の動物の音声をまねるのは大変難しいのですが、欧米人に尋ねると、みな簡単に「Grrrr!」とマネしてみせます。
その際もやはり、Rの部分は喉を震わせる摩擦音を発生させています。
Rの発音方法(3)ペンをくわえて発音練習
うがいをする音や動物の鳴き声といった抽象的な表現ではなく、より具体的な方法でフランス語のRの発音を練習したい方におすすめしたいのが、ペンを口にくわえて舌ではなく喉を鳴らして発声する方法です。
フランス語のRの発音は、日本人には馴染みが薄く、一朝一夕でマスターできるものではありません。
フランス人の発音する音を繰り返し聞き、その発声方法を何度もマネして練習してみてください。
<<ビデオの1:00頃からの解説>>
(1) 鉛筆を一本用意する
(2) 鉛筆を唇のできるだけ奥の方でくわえる
(3) 鉛筆は歯で噛んでいる状態を保つ
(4) そのままの状態で、「R」を発音する
「R」を含む以下のような単語で「R」の音を繰り返し練習
rouge /ʀuʒ/(赤)
orange /ɔʀɑ̃ʒ/(オレンジ)
arrivera /aʀiveʀa/(着くだろう)
rhododendron /ʀɔdɔdɛ̃dʀɔ̃/(ツツジ)
réparera /ʀepaʀeʀa/(修理するだろう)
Rの発音方法(4)ハ行で発音する
日本語のラ行の呪縛から抜けられない、うがいをしても喉を鳴らすことができない、といった方に参考にしていただきたいのがハ行での発音方法です。
日本で習う英語のアルファベットのRの音からか、フランス語のRを日本語のラ行で発音してしまう方は多いと思います。しかし、ラ行の音では、まずフランス人に伝わりません。
フランス語のRの音を、どうしても日本語の音に関連付けて練習したい場合、ラ行ではなくハ行を使用するだけで、より実際のフランス語の発音に近くなります。