10年滞在許可証申請用のTCF Carte de Résident en Franceの概要と対策

TCF Carte de Résident en Franceの概要と対策

(記載の情報は2020年3月時点のものです。滞在許可証申請の条件は、年度または役所によって変わる可能性がありますので、詳細は必ず管轄のpréfectureへお問い合わせください。)

 

10年滞在許可証申請に必要なフランス語レベル

フランスに長期で滞在するには滞在許可証(ビザ)の取得が必須であるが、2018年3月から、フランスにおいて実質の永住権である10年の長期滞在許可証(10年カード)を申請するには、フランス語能力がA2以上である証明書の提出が義務付けられた。

 

 

TCF Carte de Résident en Franceとは

Base-Export 1a1TCF Carte de Résident en France とは、フランスの10年滞在許可証を申請する際に、申請者のフランス語能力を証明するために作られたフランス語能力テスト

10年滞在許可証を初めて申請する65歳未満の全移民が対象となる。

10年滞在許可証を申請するには、A2レベル以上のフランス語能力の証明が必要だが、すでにDELF/DALF一般TCF(口頭表現・文書作成の補足試験込み)などの公的な試験でA2レベル以上を取得している場合や、フランスの大学等の高等教育機関のディプロムを所持している場合は、別途受験する必要はない。※ただし、TCFは有効期限が2年であるため、TCFの結果の有効期限とビザ申請時期に注意が必要。

通常のTCFと同様に、TCF Carte de Résident en France も有効期限は2年間である。

一般TCFとは異なり、文書作成口頭表現必須であり、聴解、読解、文書作成、口頭表現の四分野で構成される。

また、A1からC2レベルの問題が網羅される一般TCFとは異なり、TCF Carte de Résident en France はA1からB1レベルの問題で構成される。

受験した結果がA2レベルに満たなかった場合は、30日期間を置いて再度受験することができる。

参照: TCF pour la carte de résident en France (フランス語)

 

TCF Carte de Résidentの試験概要

試験の種類 問題数 試験時間
listeing_exam聴解
Compréhension orale
20題 15分
reading_exam読解
Compréhension écrite
20題 20分
writing_exam文書作成
Production écrite
3題 30分
speaking_exam口頭表現
Production orale
3部 10分

■TCF Carte de Résidentの試験内容■

< 聴解・読解 >

全問選択式問題。A1からB1レベルまでの問題で構成され、問題が進むにつれて難易度があがる。

< 文書作成 >

与えられた三つの主題に関して文書を作成する。問題が進むにつれて難易度があがる。

< 口頭表現 >

  1. 自己紹介。
  2. 面接官とのロールプレイ。
  3. 与えられた主題に対して自身の意見を述べる。

参照: TCF pour la carte de résident en France (フランス語)

 

 

TCF Carte de Résidentの試験対策

< 聴解・読解 >

TV5MONDEのサイトで、TCFの過去問題を用いて聴解・読解の練習ができる。また、本番同様に解く模擬試験も用意されている。TCF一般用の練習サイトのため、A1からC2レベルまでが網羅されており、問題が進むにつれてかなり難度の高い問題が出題されているが、TCF Carte de Résident en Franceは、前述の通りB1レベルまでの問題で構成されているため、あまり難しい問題は飛ばしても構わないだろう。

tv5monde
TV5MONDE | TCF – Test de connaissance du français

 

RFI (Radio France Internationale) のサイトでも同様にTCFの過去問題を用いて練習ができる。こちらは聴解のみの練習となるが、リスニングの音声テキストで確認できるのが利点である。

rfi
RFI Savoirs | TCF – Test de connaissance du français

 

 

< 文書作成 >

短い手紙や携帯電話のメッセージを書く問題が頻出されているため、普段から簡単なメールや手紙のやりとりができるようにしておきたい。また、自身の意見を述べる文言や、簡単な論述形式の作文の書き方も覚えておくと高得点が狙えるだろう。

 

< 口頭表現 >

まず自己紹介から始まるので、何はともあれ、自分について3分ほど話し続けられるように自己紹介の文は暗記しておこう。その他、日常生活で想定されるダイアログ (病院での診察、買い物中の店員とのやりとり、不動産屋での会話、警察署での質疑応答など) にも慣れておきたい。また、文書作成と同様に、与えられたテーマに対する個人的見解を述べる練習もしておくとよい。

 

TCF Carte de Résidentのサンプル問題

CIEPのサイト上で、TCF Carte de Résident en France の文書作成と口頭表現のサンプル問題が参照できる。受験予定者は、一度は目を通しておきたい。

■文書作成サンプル問題■

参照: Exemple de sujet d’expression écrite (PDF)

 

■口頭表現サンプル問題■

参照: Exemple de sujet d’expression orale (PDF)

 

聴解読解に関しては、公式のマニュアルブックにサンプル問題が記載されているので、併せて確認しておきたい。

■TCF Carte de Résident en France 受験者用マニュアル■

参照: TCF pour la carte de résident en France – Manuel du candidat (PDF)

 

TCF Carte de Résidentを受験できる場所

TCF Carte de Résident en France は、試験の性質上、現時点ではフランス国内とフランス領であるポリネシア、またチュニジアでのみ受験可能である。

受験センターはCIEPの以下のページで確認できる。

Coordonnées des centres de passation du TCF pour la carte de résident en France

 

 

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