フランス語のリエゾン・アンシェヌマン・エリズィヨンの違い

フランス語のリエゾン・アンシェヌマン・エリズィヨンの違い

リエゾン・アンシェヌマン・エリズィヨンの違い

フランス語で Il achète(彼は買う)、les oranges(それらのオレンジ)、l’orange(そのオレンジ)と言う場合、Ilとachète、lesとoranges、leとorange、各々の単語を単独で発音する際とは異なった発音となる。

それぞれどういった規則の現象が起こっているか分かるだろうか。

 

Il achète(彼は買う)

 

les oranges(それらのオレンジ)

 

l’orange(そのオレンジ)

 

フランス語のリエゾン(liaison)とは

リエゾン(liaison)とは、連音とも呼ばれ、通常は発音されない語末の子音が次の単語の語頭の母音と一緒に発音される現象のこと。

語末の発音されない子音 + 語頭の母音 = リエゾン(連音)

 

冒頭の例では、les oranges(それらのオレンジ)の例にあたり、通常は発音されない語末のsが次の単語の語頭のoと結びついて発音されているのが確認できる。

 

フランス語のリエゾン(liaison)の例

très intéressant(とても興味深い)

 

deux horloges(二つの時計)

 

Vous accédez(あなたは到達する)

 

Nous achetons(私たちは買う)

 

On apprécie(人々は感謝する)

フランス語のon(私たち、人々)は、英語のon /ɒn/(~の上で)の発音の影響からか、/n/を発音すると勘違いしがちだが、フランス語のon鼻母音/ɔ̃/の発音であり、単独では子音/n/は発音されない。後ろに語頭が母音の単語が来た際にのみ、リエゾンが起こり/n/の音が発音される

 

 

フランス語のアンシェヌマン(enchaînement)とは

アンシェヌマン(enchaînement)とは、連読とも呼ばれ、通常発音される語末の子音が次の単語の語頭の母音と一緒に発音される現象のこと。

語末の発音される子音 + 語頭の母音 = アンシェヌマン(連読)

 

冒頭の例では、Il achète(彼は買う)の例にあたり、通常発音される語末のlが次の単語の語頭のaと結びついて一緒に発音されている。

 

フランス語のアンシェヌマン(enchaînement)の例

trente ans(三十歳)

 

Il arrive(彼はたどり着く)

 

Il y a beaucoup d’étudiants(たくさんの生徒がいる)

 

フランス語のエリズィヨン(élision)とは

エリズィヨン(élision)とは、母音字省略とも呼ばれ、la / le / je / ce / ne / se / que / si といった一音節の単語の次に語頭が母音の単語が来るときに、前の単語の母音字が省略されてアポストロフ(’)になる現象のこと。

一音節の単語 + 語頭が母音の単語 = エリズィヨン(母音字省略)

 

冒頭の例では、lorange(そのオレンジ)の例にあたり、もともとはle orangeであるのが、一音節の単語の母音eが省略されてアポストロフで繋がれ、次の単語の語頭のoと結びついて一緒に発音されている。

 

フランス語のエリズィヨン(élision)の例

Le + hôpital = Lhôpital(その病院)

 

Ce + est = Cest jeudi(それは木曜日です)

 

Je + ai = Jai une bonne nouvelle(良い知らせがあります)

 

Que + est-ce = Quest-ce que tu veux faire?(何をしたい?)