フランス語の[s]と[ʃ]の発音

フランス語の子音[s]と[ʃ]の発音

フランス語の[s]と[ʃ]の発音の違い

フランス語のça(それ、これ) と chat(猫)の発音の違いがわかるだろうか。前者は[sa]、後者は[ʃa]、と発音され、[s]と[ʃ]でそれぞれ先頭の子音の発音が異なる。

ça(それ、これ)
/sa/

 

chat(猫)
/ʃa/

 

ça と chat は初学者にも馴染みの深い単語なので、『あぁ、ça「サ」と chat「シャ」でしょ』と思われるかもしれない。

 

フランス語のsous(~の下に)と chou(キャベツ)も、発音の違いは先頭の[s]と[ʃ]の音のみであるが、こちらもそれほど難しくはないだろう。

sous(~の下に)
/su/

 

chou(キャベツ)
/ʃu/

 

ちなみに、余談ではあるが、お菓子のシュークリームは、シュー生地をキャベツ(chou)に見立てたフランス語の「chou à la crème」(シュー・ア・ラ・クレーム)からきている。

 

同様に、seau(バケツ) と chaud(暑い)も[s]と[ʃ]の発音のみが異なる。

seau(バケツ)
/so/

 

chaud(暑い)
/ʃo/

 

フランス語の[si]と[ʃi]の発音の違い

では、si(もし~ならば、とても、はい)と chimie(化学)の発音の違いはどうだろうか。

前者は[si]、後者は[ʃi]の発音となる。

[s]も[ʃ]も、日本人にとって近い発音の「サ行」「シャ行」と単純に考えてしまいがちだが、注意が必要なのは、母音[i]が後ろに来る場合の[si]と[ʃi]の発音。[si]は無理やりカタカナで表記するなら「シ」ではなく「スィ」に近くなる。では[ʃi]はどうなるのかというと、こちらは日本語の「シ」に近い発音である。

si(もし~ならば、とても、はい)
/si/

 

chimie(化学)
/ʃimi/

 

フランス語の[s]の発音の仕方

唇を横に広げて、喉の振動なしに発音した「ス」。

 

フランス語の[ʃ]の発音の仕方

舌先を歯茎の奥に近づけ(触れさせない)て息を出す無音の「シュ」。

 

フランス語の[s]と[ʃ]の発音の単語例

[s][ʃ]
ça(それ、これ)chat(猫)
seau(バケツ)chaud(暑い)
sous(~の下で)chou(キャベツ)
c’est(それは~です)chez(~の家で)
çu(がっかりした)chu(墜落した)
souffrir(苦しむ)chauffer(暖める)
penser(考える)chocolat(チョコレート)
classe(クラス)chanson(歌)
cinéma(シネマ)chaise (椅子)
français(フランス語) 
science(科学) 
dix(10) 
démocratie(民主主義) 

 

フランス語の[s]と[ʃ]の綴りの規則

[s][ʃ]
sch
sssch
ç 
c + i 
c + e 
t + i 
sci