フランス版もちもちチーズパン!?甘くないシューGougère(グジェール)とは

Gougère(グジェール)とは

「Gougère(グジェール)」とは、ブルゴーニュ地方発祥とされるフランス料理の一種であり、チーズ入りの膨らんだパフペストリー(シュー皮)のこと。主にアペタイザー(前菜)やアペリティフ(食前酒)として提供される。

Gougère(グジェール)の作り方は、まず、水とバターを煮たところに小麦粉と卵を加えて滑らかなシュー生地を作るその後、刻んだチーズを混ぜ込み、生地を絞り袋で円形に絞ってオーブンで20〜30分焼くと完成である。チーズはエメンタールチーズやコンテチーズ、グリュイエールチーズなどが用いられる。

バリエーションとしてハーブやスパイス、他の具材を加えてアレンジされることもある。

似た料理として、日本では「チーズパン」や「チーズボール」とも言われるブラジル発祥の「pão de queijo(ポン・デ・ケイジョ)」がある。Gougère(グジェール)との大きな違いは、pão de queijo(ポン・デ・ケイジョ)はもちもちとしたパン生地であるのに対し、Gougère(グジェール)は軽やかでふんわりとしたシュー生地であるというところだ。

 

Gougère(グジェール)にまつわる逸話

Gougère(グジェール)発祥の地であると主張しているフランスのブルゴーニュ地方のFlogny-la-Chapelle(フロニー=ラ=シャペル) では、毎年5月に「La Fête de la Gougère(グジェール・フェスティバル)」が開催される。これは、地元の料理や文化を楽しむ、Gougèreが主役となるお祭りである。

この祭りでは、地元のレストランや料理人たちが腕を振るい、さまざまな種類のGougère(グジェール)が提供される。チーズや具材、風味を工夫した多種多様なバリエーションのGougère(グジェール)が楽しめるほか、ブルゴーニュ地方の特産品やワインも楽しむことができる。

[参考] 28ème Fête de la Gougère(フランス語)

 

料理に関するフランス語単語集

フランス語の表現Ne pas faire de vieux os(古い骨を作らない)とは

“Ne pas faire de vieux os” の意味

Ne pas faire de vieux os(ヌ パ フェール ドゥ ヴュ ゾ)」というフランス語の表現は、直訳すると「古い骨を作らない」となるが、実際には、「ある場所に長く滞在しない」「長居しない」「長くとどまらない」といった意味で使われる口語表現である。

この表現は、ある人や物が特定の場所に長期間滞在せず、早く去る場合に使われることから、「早死にする」「若死にする」という意味合いも持つ。

「長生きしない」という意味では、英語の表現「not to live to a ripe old age」に値する。

 

“Ne pas faire de vieux os” を使った例文

「Ce soir je vais rentrer tôt, je ne vais pas faire de vieux os.」(今夜はあまり遅くまでいないで早く帰るつもりだよ。)

「J’ai eu une journée fatiguante, je ne vais pas faire de vieux os ce soir.」(今日はとても疲れたので、今晩は早く休むよ。)

「Le médecin a dit que si vous continuez à fumer autant, vous ne ferez pas de vieux os.」(医者は、これだけたくさん喫煙し続けると、長寿は望めないだろうと言った。)

失敗から生まれたひっくり返ったフランス菓子Tarte Tatin(タルトタタン)とは

Tarte Tatin(タルト・タタン)とは

「Tarte Tatin(タルト・タタン)」は、フランスの伝統的なデザートの一つで、キャラメリゼされたリンゴをタルト生地の下に敷き詰めてオーブンで焼き、逆さまにひっくり返して提供されるタルトのこと。

この料理は、フランスのタタン姉妹によって発明されたため、姉妹の名前「Tatin(タタン)」が料理名につけられたとされる。

Tarte Tatin(タルト・タタン)は通常、バターと砂糖で炒めたリンゴの上に生地を被せて焼き上げる。焼く際には、リンゴがキャラメルとバターでさらにじっくりと煮詰められて、柔らかく、甘く、風味豊かなものになる。焼き上がったタルトは、逆さにひっくり返して供されるのが特徴で、リンゴが上にくる。これにより、キャラメルでコーティングされたリンゴが美しい焦げ目を持ち、甘さと風味が生地と絶妙に組み合わさったタルトとなる。

また、リンゴ以外のフルーツや野菜を使ったバリエーションも存在し、多くのレストランや家庭で楽しまれている。

 

Tarte Tatin(タルトタタン)にまつわる逸話

この料理は、19世紀末にフランスの田舎町Lamotte-Beuvron(ラモット=ブーヴロン)で、ある姉妹、Stéphanie Tatin(ステファニー・タタン)とCaroline Tatin(キャロリン・タタン)によって生み出されたと言われる。

彼女たちが経営するホテル・レストランでリンゴのタルトを作る際に、リンゴを焦がしてしまった。焦げたリンゴを何とかできないかと、リンゴの上に生地を被せて逆さまに焼いてみた。焼き上がった後にタルトをひっくり返してみると、キャラメル化したリンゴが美味しいデザートになっていた。

この偶然の結果が「Tarte Tatin(タルト・タタン)」の誕生とされる。

 

デザートに関するフランス語単語集

フランス語の表現Ce n’est pas ma tasse de thé(それは私のティーカップではない)とは

“Ce n’est pas ma tasse de thé” の意味

Ce n’est pas ma tasse de thé(ス ネ パ マ タス ドゥ テ)」とは、フランス語で、「私の好みではない」「私の趣味ではない」「あまり好きではない」「苦手だ」という意味の表現。直訳すると「それは私のお茶のカップではない」となるが、実際には「それは私が好きなものではない」というニュアンスで使われる。

このフレーズは、英語の表現「It’s not my cup of tea(私の趣味ではない)」と同じく、何かが自分の好みや趣味に合わない、興味を持たない、または自分の関心に合わない場合に使われる。

 

“Ce n’est pas ma tasse de thé” の起源

このフレーズは元々、上述の英語の表現「It’s not my cup of tea」からきていると考えられている。

「It’s not my cup of tea」という表現は19世紀後半から使われており、イギリス英語の中で定着している成句である。これは、特定のことやモノが自分の好みや興味に合わないことを表現する。

イギリスでは紅茶文化が根付いており、イギリス人はお茶の飲み方や礼儀作法に強い関心がある。そのことから、この英語の表現が、人々がお茶に特定の好みを持つように、個人的な好みや嫌いを表現するための一般的な言い回しとなったのだろう。

そして、フランス語の表現「Ce n’est pas ma tasse de thé」は、英語の表現に影響を受けて広く使われるようになったとされる。

 

“Ce n’est pas ma tasse de thé” を使った例文

「Les films d’horreur ne sont pas ma tasse de thé.」(ホラー映画は私の好みではない。)

「La cuisine, ce n’est pas ma tasse de thé.」(私は料理するのが苦手だ。)

「Aller camper en pleine nature? Ce n’est pas ma tasse de thé, je préfère les hôtels confortables.」(自然の中でキャンプするの?それは私の性に合わない、私は快適なホテルの方がいい。)

ピザのような炎のタルト!?アルザス名物Flammekueche(フラムキッシュ)とは

Flammekueche(フラムキッシュ)とは

「Flammekueche(フラムキッシュ)」とは、フランスのアルザス地方発祥の伝統的な料理で、非常に薄い生地にフレッシュクリームを塗り、ベーコンや玉ねぎをのせてオーブンで焼いたピザによく似た料理

トッピングには、ベーコンや玉ねぎ以外にも、マッシュルームやチーズ、ハム、鶏肉などが使用されることもある。基本的にはシンプルな組み合わせが特徴の料理だが、地域や個々のレストランによって微妙な違いが見られる。

一見するとピザのようにも見えるが、非常に薄い生地で作られているためサクサク感が強く、ピザ生地は少し重いと感じるような年配の方でも楽しめるのではないかと思う。

 

Flammekueche(フラムキッシュ)の名前の由来

現在では観光名物としても知られるFlammekueche(フラムキッシュ)は、アルザス地方の農村部で生まれた料理で、かつては家庭で作られることが多かった。

ジブリ映画の『ハウルの動く城』や ディズニー映画『美女と野獣』の舞台ともなったアルザス地方は、フランスとドイツの国境地帯に位置しており、歴史的に両国の文化や料理の影響を受けてきた。

Flammekueche(フラムキッシュ)は元々、オーブンが普及する前に、農家の家庭の大きな焚き火(flammes)を使って調理していた。そのため、フランス語で「炎」を意味する「Flamme(フラム)」と、アルザス地方の方言であるアルザシアン語で「タルト」や「ケーキ」を意味する「Kueche(クーシュ)」が合わさって、直訳すると「炎のタルト」となる「Flammekueche(フラムキッシュ)」という名前がついたとされる。

Flammekueche(フラムキッシュ)はフランス語では「Tarte Flambée(タルト・フランベ)」としても知られ、日本では「フラムキッシュ」のほかに「フラムクーシュ」や「フラムクッシュ」とも呼ばれる。

 

料理に関するフランス語単語集