フランス語の表現C’est pas la mer à boire(飲む程の海ではない)とは

“C’est pas la mer à boire” の意味

C’est pas la mer à boire(セ・パ・ラ・メール・ア・ボワール)」というフランス語の表現は、直訳すると「飲むほどの海ではない」という意味である。これは、日本語でいう「たいしたことではない」「それほど困難ではない」といったニュアンスで、あることが難しいわけではないことを表現するフレーズである。

この表現は、何かをするのが非常に困難であったり、多大な努力が必要に見える状況に対して、相対的に問題が小さく見えることを強調するときに使われる。つまり、あることが難しいと感じるかもしれないが、実際にはそれほど大したことではないという意味合いが含まれている。

 

“C’est pas la mer à boire” の起源

C’est pas la mer à boire」という表現が具体的にどのようにして生まれたかは定かではないが、フランス語を読み解くことでこの表現の背景について考えることができる。

la mer」はフランス語で「」、「boire」は「飲む」という意味であり、海は一般的に広大で難渋のものと捉えられることが多い。「飲むべき程の海ではない」とすることで、何かを達成する際に海を全て飲み干さなければならないほど困難であるという意味ではなく、逆に海がそのまま飲めるほど小さな問題だと表現することで、困難さを軽減する効果があると考えられる。

 

“C’est pas la mer à boire” を使った例文

「Ne t’inquiète pas, cuisiner un repas pour dix personnes, c’est pas la mer à boire.」(心配しないで、10人分の食事を作ることはそんなに難しいことじゃないよ。)

「Oui, c’est vrai que c’est un défi, mais avec un peu de préparation, ce n’est pas la mer à boire.」(そう、確かにそれは挑戦だけど、少し準備すれば、それほど困難なことじゃないよ。)

「J’ai raté mon bus, mais ne t’inquiète pas, le prochain arrive dans 10 minutes. C’est pas la mer à boire !」(バスに乗り遅れちゃったけれど、心配しないで。次のバスは10分後に来るから、それほど大したことじゃないよ!)

南仏名物であるフランス料理Bouillabaisse(ブイヤベース)とは

Bouillabaisse(ブイヤベース)とは

「Bouillabaisse(ブイヤベース)」とは、フランスのプロヴァンス地方が発祥の地とされる、フランス料理の代表的な一品であり、地中海沿岸の伝統的な魚介類のシチューのこと。

特にフランスの地中海沿岸地域で広く知られているこの料理は、フランスの港湾都市Marseille(マルセイユ)が起源とされており、その歴史は古く、18世紀から存在していたと言われる。

主な材料は、地中海産の魚介類であり、魚(主に白身魚)やムール貝、エビ、イカ、ロブスターなどが使われる。

Bouillabaisse(ブイヤベース)の特徴的な点は、最初にスープのベースとなる「bouillon(ブイヨン:日本食でいうところの出汁)」を作ることである。このブイヨンは、深い味わいを出すために、魚や魚介類の頭、骨、殻、白ワイン等を使って作られる。出来上がったブイヨンと魚介類を、トマトやオリーブオイル、ニンニク、タマネギ、サフラン、ハーブ(ローリエの葉やタイム、フェンネルなど)と一緒に煮込んで仕上げる。

Bouillabaisse(ブイヤベース)は、元々は漁師たちが釣りの残りや廃棄物を利用して作り出した家庭料理であるが、今では高級レストランでも出されるほどの人気を誇り、地元の風土や伝統を反映した美味しい料理として、フランスだけでなく世界中で愛されている。

 

Bouillabaisse(ブイヤベース)の名前の由来

「Bouillabaisse(ブイヤベース)」の名前の由来は、諸説ある。

一つは、フランス語の「bouillir(ブイヤー:煮る)」と「abaisser(アベッセ:弱める)」という2つの動詞に由来するという説。これは、魚介類を煮る際に、最初は強火で沸騰させた後、火力を弱めてゆっくりと煮詰めるという調理方法によるとされている。

もう一つは、フランス南部の方言であるオック語の「bouille(ブイユ:魚を煮ることを意味する)」と「aigo(アイゴ:スープを意味する)」からくるという説。これらの言葉が組み合わさって「Bouillabaisse(ブイヤベース)」となったとも言われる。

どちらも「煮る」という意味が含まれており、Bouillabaisse(ブイヤベース)がシチューとして煮込まれることを示している。

 

料理に関するフランス語単語集

 

フランス語の表現Ça ne mange pas de pain(それはパンを食べない)とは

“Ça ne mange pas de pain” の意味

Ça ne mange pas de pain(サ ヌ マンジュ パ ドゥ パン)」というフランス語の表現は、直訳すると「それはパンを食べない」という意味になるが、これは、特にリスクや負担がないことを表現するフレーズである。

この表現は、何かを試すことや手に入れることがリスクやコストがほとんどない場合に使われる。英語でいうところの「It doesn’t hurt to try(やってみても損はないよ)」と似たような意味合いとなる。

具体的には、友達が新しいレストランやカフェに行ってみようと提案したり、無料のサンプルをもらうこと、あまり大きな努力をせずに何かを得ることができる場合などに、軽いトーンで使われることが多い。

 

“Ça ne mange pas de pain” の起源

Ça ne mange pas de pain」の起源は明確に特定されていないが、フランス語においては古くから使われている表現の一つであり、おそらく農村や田舎の生活に由来していると考えられている。

昔のフランスでは、パンは非常に重要な物であり、生活の基本的な食べ物であった。そのため、他のものよりもパンが大切であり、貴重であるとされていた。

この表現は文字通りには「それはパンを食べない」という意味だが、実際の意味は「何も費用がかからない」「特にリスクがない」または「大したことではない」というニュアンスに近い。

このフレーズは、何かを試すことや小さなリスクを取る場合に、それが重要な結果をもたらさないという状況を表現するのに使われる。つまり、「それはパンを食べるような、価値のある食品を消費しない」という意味合いから、この表現が生まれたとされる。

 

“Ça ne mange pas de pain” を使った例文

「Tu devrais essayer cette nouvelle activité, ça ne mange pas de pain.」(新しいことに挑戦してみるべきだよ、特にリスクはないからね。)

「Pourquoi n’essaies-tu pas de demander une réduction? Ça ne mange pas de pain après tout.」(なぜ値引きを交渉してみないの?聞くのはタダだよ。)

「Je vais envoyer ma candidature pour ce poste, ça ne mange pas de pain, non?」(この求人に応募してみるわ。失うものは何もないものね。)

世界中で愛されるフランス発祥の調味料Mayonnaise(マヨネーズ)とは

Mayonnaise(マヨネーズ)とは

Mayonnaise(マヨネーズ)とは、卵黄、植物油、酢またはレモン汁、塩、マスタードなどを混ぜ合わせて作られるフランス料理に由来する半固体状の調味料である。油を卵黄に少しずつ加えながらゆっくりと混ぜ合わせることで、濃厚でクリーミーなテクスチャーが作られる。

Mayonnaise(マヨネーズ)は多くの料理に使われ、サンドイッチ、サラダ、ドレッシング、ソースなどに広く使用されている。また、数々のバリエーションが存在し、ハーブやスパイス、ガーリックなどの風味を加えることで、さまざまな味わいを楽しむことができる。

現在でも、フランスの家庭では自家製ドレッシングとして手作りのMayonnaise(マヨネーズ)が食卓に出される。

 

Mayonnaise(マヨネーズ)の起源

Mayonnaise(マヨネーズ)の起源は、スペインのバレアレス諸島にあるメノルカ島のマオンという都市にあるとされる。18世紀にマオンで最初に作られたとされ、当時は「salsa mahonesa(サルサ・マオネサ)」またはマオン風ソースと呼ばれていた。

このソースはフランスのシェフたちの関心を引き、フランスに持ち帰られると、いくつかの改良が加えられ、現在私たちが知っているマヨネーズとなった。

時間の経過とともに、Mayonnaise(マヨネーズ)は広まり、フランス料理だけでなく世界中のさまざまな料理の中で広く使われるようになった。

 

Mayonnaise(マヨネーズ)の名前の由来

フランスのドレッシング「Mayonnaise(マヨネーズ)」の名前の起源は、いくつかの説が存在する。

一つは、「卵黄ソース」を意味するフランス語の「moyeu」または「moyeunaise」という言葉に由来しているという説。年月が経つにつれて発音が変化し、「Mayonnaise(マヨネーズ)」という綴りに変わったとされる。

また、もう一つは、先に述べたようにスペインのメノルカ島のマオン(マオ)という都市で作られた「salsa mahonesa(サルサ・マオネサ)」の影響を受けているとされる説。「mahonesa(マオネサ)」はスペイン語で「マヨネーズ」を意味する。

いずれにせよ、フランス発祥のドレッシングMayonnaise(マヨネーズ)は、今日では世界中で愛される万能調味料である。

 

料理に関するフランス語単語集

 

フランス語の表現Avoir le cafard(ゴキブリを持っている)とは

“Avoir le cafard” の意味

Avoir le cafard(アヴォワール・ル・カファール)」というフランス語の表現は、直訳すると「ゴキブリを持つ」という意味になるが、実際の意味は「憂鬱で沈んだ気分である」「気分が落ち込んでいる」「ふさいでいる」ということを表すフレーズである。

この表現は、口語表現でよく使われる。具体的には、気分が落ち込んでいたり、ネガティブな感情にとらわれている状態を指す言葉であり、心の中に何か重荷や不安を感じている状態を表現するときに使われる。

 

“Avoir le cafard” の起源

cafard」はフランス語で「ゴキブリ」という意味であるが、この表現においては直訳の意味ではなく、ゴキブリのイメージや特性が転じて使用されている。ゴキブリは一般的には不快感を引き起こす存在とされ、その姿や活動が汚いとされることから、ネガティブな感情や沈んだ気分を連想させる象徴的な存在となっている。

Avoir le cafard」というフレーズの起源ははっきりとはわかっていないが、一説には、衛生管理の行き届いていなかった19世紀のフランスのカフェや酒場では、コーヒー豆の保管小屋にゴキブリがたくさん生息していたと言われ、そのため、この小屋に行くことがあると、その様子を見た人々は不快な気分になり、後に「Avoir le cafard」という表現が生まれたと言われている。

 

“Avoir le cafard” を使った例文

「J’ai le cafard aujourd’hui.」(今日は気分が落ち込んでいる。)

「Il a le cafard depuis qu’il a perdu son emploi.」(彼は仕事を失ってからずっとふさいでいる。)

「Il a le cafard depuis quelques jours.」(彼はここ数日、落ち込んでいる。