フランスで愛される幸福の飲み物Chocolat chaud(ショコラショー)とは

Chocolat chaud(ショコラ・ショー)とは

Chocolat chaud(ショコラ・ショー)とは、直訳すると「温かいチョコレート」となるように、濃厚なチョコレートを溶かして牛乳と混ぜ、砂糖で甘さを調整したチョコレートの飲み物のこと。香りづけとしてバニラエッセンスやシナモンを加えたり、ホイップクリームやチョコレートチップなどのトッピングがつけられることもある。

フランスの伝統的な飲み物であるChocolat chaud(ショコラ・ショー)は、特に寒い季節に人気があり、マルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)の定番の飲み物である。冬の寒さをしのいで体を温めてくれるだけでなく、チョコレートの濃厚な香りや風味が幸せな気持ちをもたらしてくれるため、子供から大人まで幅広い年齢層に愛されている。

また、ショコラトリー(チョコレート専門店)やカフェでは、高品質のチョコレートを使用した贅沢な味わいのChocolat chaud(ショコラ・ショー)が楽しめる。

 

Chocolat chaud(ショコラ・ショー)の起源

Chocolat chaud(ショコラ・ショー)の起源は、チョコレート自体がアメリカ大陸で発見され、ヨーロッパに紹介された16世紀にさかのぼる。

チョコレートは当初、飲み物として消費されており、17世紀から18世紀にかけてフランスの貴族階級や上流社会でチョコレートを飲むことが流行したとされている。特にルイ14世の代に、宮廷のショコラトリエ(チョコレート職人)が高品質のチョコレートを提供し、宮廷で好まれたという。

この時期に、チョコレートはスパイスやバニラなどで風味づけされ、牛乳と混ぜられて現在の形に近いChocolat chaud(ショコラ・ショー)が作られた。当初、贅沢な飲み物として宮廷で楽しまれていたこのチョコレートドリンクは、19世紀には一般的な飲み物として市民にも広まった。

その後、フランス全土で愛される伝統的なChocolat chaud(ショコラ・ショー)として発展し、今日ではフランス食文化の一部として広く知られている。

 

Chocolat chaud(ショコラ・ショー)にまつわる逸話

18世紀のフランスを代表する哲学者・文豪であるヴォルテール(Voltaire)は、チョコレート愛好家としても知られる。

逸話によれば、ヴォルテールは毎朝、Chocolat chaud(ショコラ・ショー)を飲んで日の出を迎えたという。彼はこのチョコレートドリンクを「幸福の飲み物」と称し、その絶妙な味わいに魅了されていた。彼のチョコレート好きは当時のフランス社会にも影響を与え、チョコレートの人気を高める一因となったとされる。

 

「ショコラショー」と「ホットチョコレート」と「ココア」の違い

ショコラショー(Chocolat chaud)」とは「ホットチョコレート」を意味するフランス語で、一般的には固形チョコレートを牛乳に溶かして作るチョコレートドリンクのことを指す。ただし、一般家庭で朝食に飲まれるものや、サービスエリアの自動販売機で売られているものは、より簡易なココアパウダー(調整ココア)が使用されたものが多い。

ココア(Cocoa)」とは粉末のココアパウダーを牛乳または水に溶かして作る飲み物のこと。ココアパウダーは原料であるカカオ豆からカカオバターを除いた粉末であるため、チョコレートに比べて油脂分が少なく、「ショコラショー」よりも軽く甘さも控えめである。

ホットチョコレート(Hot chocolate)」とは基本的にはチョコレートを使って作られる飲み物を指す。しかし、厳密な定義はなく、「ココア」も「ホットチョコレート」と呼ばれることがあるため、広義には「ホットチョコレート」はチョコレートまたはココアパウダーで作られる飲み物の総称である。

要するに、「ショコラショー」は濃厚で高級なフレンチスタイルのホットチョコレートであり、「ホットチョコレート」はよりカジュアルなバリエーション、「ココア」はさらにシンプルで甘さの少ない飲み物である。

 

飲み物に関するフランス語単語集