南仏名物であるフランス料理Bouillabaisse(ブイヤベース)とは

Bouillabaisse(ブイヤベース)とは

「Bouillabaisse(ブイヤベース)」とは、フランスのプロヴァンス地方が発祥の地とされる、フランス料理の代表的な一品であり、地中海沿岸の伝統的な魚介類のシチューのこと。

特にフランスの地中海沿岸地域で広く知られているこの料理は、フランスの港湾都市Marseille(マルセイユ)が起源とされており、その歴史は古く、18世紀から存在していたと言われる。

主な材料は、地中海産の魚介類であり、魚(主に白身魚)やムール貝、エビ、イカ、ロブスターなどが使われる。

Bouillabaisse(ブイヤベース)の特徴的な点は、最初にスープのベースとなる「bouillon(ブイヨン:日本食でいうところの出汁)」を作ることである。このブイヨンは、深い味わいを出すために、魚や魚介類の頭、骨、殻、白ワイン等を使って作られる。出来上がったブイヨンと魚介類を、トマトやオリーブオイル、ニンニク、タマネギ、サフラン、ハーブ(ローリエの葉やタイム、フェンネルなど)と一緒に煮込んで仕上げる。

Bouillabaisse(ブイヤベース)は、元々は漁師たちが釣りの残りや廃棄物を利用して作り出した家庭料理であるが、今では高級レストランでも出されるほどの人気を誇り、地元の風土や伝統を反映した美味しい料理として、フランスだけでなく世界中で愛されている。

 

Bouillabaisse(ブイヤベース)の名前の由来

「Bouillabaisse(ブイヤベース)」の名前の由来は、諸説ある。

一つは、フランス語の「bouillir(ブイヤー:煮る)」と「abaisser(アベッセ:弱める)」という2つの動詞に由来するという説。これは、魚介類を煮る際に、最初は強火で沸騰させた後、火力を弱めてゆっくりと煮詰めるという調理方法によるとされている。

もう一つは、フランス南部の方言であるオック語の「bouille(ブイユ:魚を煮ることを意味する)」と「aigo(アイゴ:スープを意味する)」からくるという説。これらの言葉が組み合わさって「Bouillabaisse(ブイヤベース)」となったとも言われる。

どちらも「煮る」という意味が含まれており、Bouillabaisse(ブイヤベース)がシチューとして煮込まれることを示している。

 

料理に関するフランス語単語集

 

世界中で愛されるフランス発祥の調味料Mayonnaise(マヨネーズ)とは

Mayonnaise(マヨネーズ)とは

Mayonnaise(マヨネーズ)とは、卵黄、植物油、酢またはレモン汁、塩、マスタードなどを混ぜ合わせて作られるフランス料理に由来する半固体状の調味料である。油を卵黄に少しずつ加えながらゆっくりと混ぜ合わせることで、濃厚でクリーミーなテクスチャーが作られる。

Mayonnaise(マヨネーズ)は多くの料理に使われ、サンドイッチ、サラダ、ドレッシング、ソースなどに広く使用されている。また、数々のバリエーションが存在し、ハーブやスパイス、ガーリックなどの風味を加えることで、さまざまな味わいを楽しむことができる。

現在でも、フランスの家庭では自家製ドレッシングとして手作りのMayonnaise(マヨネーズ)が食卓に出される。

 

Mayonnaise(マヨネーズ)の起源

Mayonnaise(マヨネーズ)の起源は、スペインのバレアレス諸島にあるメノルカ島のマオンという都市にあるとされる。18世紀にマオンで最初に作られたとされ、当時は「salsa mahonesa(サルサ・マオネサ)」またはマオン風ソースと呼ばれていた。

このソースはフランスのシェフたちの関心を引き、フランスに持ち帰られると、いくつかの改良が加えられ、現在私たちが知っているマヨネーズとなった。

時間の経過とともに、Mayonnaise(マヨネーズ)は広まり、フランス料理だけでなく世界中のさまざまな料理の中で広く使われるようになった。

 

Mayonnaise(マヨネーズ)の名前の由来

フランスのドレッシング「Mayonnaise(マヨネーズ)」の名前の起源は、いくつかの説が存在する。

一つは、「卵黄ソース」を意味するフランス語の「moyeu」または「moyeunaise」という言葉に由来しているという説。年月が経つにつれて発音が変化し、「Mayonnaise(マヨネーズ)」という綴りに変わったとされる。

また、もう一つは、先に述べたようにスペインのメノルカ島のマオン(マオ)という都市で作られた「salsa mahonesa(サルサ・マオネサ)」の影響を受けているとされる説。「mahonesa(マオネサ)」はスペイン語で「マヨネーズ」を意味する。

いずれにせよ、フランス発祥のドレッシングMayonnaise(マヨネーズ)は、今日では世界中で愛される万能調味料である。

 

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知られざる起源と歴史のフランス料理Croissant(クロワッサン)とは

Croissant(クロワッサン)とは

Croissant(クロワッサン)とは、フランス料理の代表的なペイストリーの一つ。もともとはオーストリアのウィーンで生まれたと言われており、「Croissant(クロワッサン)」という名前はフランス語で「三日月」を意味する

Croissant(クロワッサン)は、バター・小麦粉・砂糖・塩・イーストを主な材料として作られる。生地を薄くのばし、バターを包み込んで何度も折りたたむことで、パイ生地のような軽くサクサクとした食感を作り出す。その後、三日月形に成形し、焼き上げると完成する。

 

Croissant(クロワッサン)は通常、朝食やブランチで食べられる。そのまま食べても美味しいが、ジャムやチーズ、ハムなどを挟んでサンドイッチにしたり、コーヒーや紅茶と一緒に楽しむことも多い。

フランスを代表するペイストリーの一つとして世界中で人気があり、その美味しさと独特な形状から、多くのカフェやベーカリーで提供されている。

 

Croissant(クロワッサン)の起源

フランスのパンの一つとして有名なCroissant(クロワッサン)であるが、実は、Croissant(クロワッサン)の起源はフランスではなく、オーストリアのウィーンにある

17世紀、オスマン帝国の軍勢がウィーンに攻め入った際に、オスマン帝国のトルコ軍の旗に描かれていた三日月の形状を模したパンが作られた。このパンは「Kipferl(キプフェル)」と呼ばれ、後にフランスに伝わる。

 

フランスへの伝来後、18世紀にオーストリアのプリンセスであるマリー・アントワネットがフランスのルイ16世と結婚した際に、フランスのパン職人たちによって改良・洗練され、私たちが今日知っているバターの香り高いパンとなり、フランス全土に広まる。

このパンはフランス語で三日月を意味する「Croissant(クロワッサン)」と呼ばれ、19世紀には、パリのベーカリーやカフェで人気を博し、フランス料理の代表的なペイストリーとして確立された

したがって、Croissant(クロワッサン)の起源はオーストリアのウィーンにあるとされるが、フランスで発展し、世界的に知られるようになったペイストリーである。

 

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お洒落なフランス流サンドイッチCroque Monsieur(クロックムッシュ)とは

Croque Monsieur(クロックムッシュ)とは

Croque Monsieur(クロックムッシュ)とは、フランス料理の一つで、直訳すると「ミスター・クランチ(カリッとした紳士)」という意味となる。これは、その名の通り、ハムとチーズを挟んで香ばしくカリッと焼かれたホットサンドイッチのことである。

Croque Monsieur(クロックムッシュ)の一般的な材料と作り方はとてもシンプルである。白パンにハムとチーズを挟み、両面がきつね色になるまでバターで焼くと完成する。

 

また、Croque Monsieur(クロックムッシュ)に目玉焼きを乗せたものは、Croque Madame(クロックマダム)と呼ばれる。

有名なフランス映画アメリ(原題:Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain)』の劇中でも、Croque Madame(クロックマダム)が登場する。

 

Croque Monsieur(クロックムッシュ)の名前の由来

Croque Monsieur(クロックムッシュ)の名前の由来は、フランス語で「かりかりとかじる」「バリバリ食べる」といった意味を持つ動詞「croquer(クロケ)」と、英語の「Mr(ミスター)」にあたる「monsieur(ムッシュ)」からきている。

Croque Monsieur(クロックムッシュ)の正確な起源は不明であるが、名前に「Monsieur(ムッシュ)」とつくのは、この料理が男性客に人気があったことが関係していると考えられている。

 

フランスのカフェやビストロでは、男性客を主なターゲットとしていた時代があった。そのため、このサンドイッチが特に男性に愛され、その名前に「Monsieur(ムッシュ)」が付けられたという説が存在する。

あるいは、この料理の特性から、食べるときに音がするために男性専用とされたためという説もある。

 

現代では、フランス国内外の多くのカフェやレストランで軽食として提供されており、フランス料理の代表的な一品である。

 

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夏の味覚を満喫できるフランス料理Ratatouille(ラタトゥイユ)とは

Ratatouille(ラタトゥイユ)とは

Ratatouille(ラタトゥイユ)とは、フランス料理の一つで、夏に豊富に収穫されるトマト・ズッキーニ・ナスなどの野菜がふんだんに使われた夏野菜の煮込み料理のこと。フランス南部のプロヴァンス地方で生まれた伝統的な郷土料理である。

 

一般的なRatatouille(ラタトゥイユ)の作り方は、野菜を細かく切り、オリーブオイルで炒めながら調理する。野菜がやわらかくなるまでじっくりと煮込むことで、野菜の風味がしっかりと引き出される。ハーブやスパイス、ニンニクなども使われるが、野菜本来の味を楽しむために味付けはシンプルに塩とこしょうが一般的である。

一般的には温かい状態で食されるが、冷やしても美味しく楽しむことができる。また、パンやご飯と一緒にいただくことが多く、野菜が豊富に使われていることから一皿でもバランスの取れた食事となる。

 

Ratatouille(ラタトゥイユ)はフランス料理の中でも有名で、プロヴァンス地方の郷土料理として親しまれている。映画『レミーのおいしいレストラン(原題:Ratatouille)』の影響もあり、野菜の豊かな味わいと見た目の美しさから、世界中の人々に愛される一品となっている。

 

Ratatouille(ラタトゥイユ)の名前の由来

Ratatouille(ラタトゥイユ)の名前の由来には諸説ある。

一つは、フランス語の方言であるオック語(現代のプロヴァンス語)で野菜を切って煮込むことを意味する「ratatolha(ラタトーリャ)」という言葉が料理名として変化し、「Ratatouille(ラタトゥイユ)」となったという説。

 

もう一つは、調理法に由来するフランス語の「rata(肉や野菜を混ぜ合わせたシチューを指す軍隊用語)」「touiller(かき混ぜる)」が組み合わさって「Ratatouille(ラタトゥイユ)」という名前ができたという説。

 

正確な由来を特定するのは難しいが、いずれの説も、野菜を混ぜ合わせて調理するRatatouille(ラタトゥイユ)の特徴をよく表現していると言えるだろう。

 

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