家族が集まる日曜日の定番フランス料理Poulet rôti(プレ・ロティ)とは

Poulet rôti(プレ・ロティ)とは

Poulet rôti(プレ・ロティ)とは、英語では「Roasted Chicken(ローストチキン)」と呼ばれ、日本語でいう「鶏の丸焼き」のこと。まるごとの鶏肉をオーブンでじっくりと焼いて調理する伝統的なフランス料理の一つ。フランスの家庭料理から高級レストランまで、さまざまな場所で提供されている。

Poulet rôti(プレ・ロティ)の一般的な調理方法は、丸鶏に塩とこしょうを振りかけ、バターまたはオリーブオイルを塗り、約180〜200°Cのオーブンでじっくり焼く。鶏の内部にハーブやガーリックを詰め込むこともある。焼き上がったら、休ませてからスライスし、季節の野菜やローストポテト、グレービーソース、サラダ等と一緒に提供する。

家庭の日曜日のランチはもちろん、家族や友人との集まり、特別な会食、クリスマスや年末年始などのイベント料理としても幅広く楽しまれている。

 

Poulet rôti(プレ・ロティ)のバリエーション

Poulet rôti(プレ・ロティ)は、オーソドックスなフランス料理の一つであるが、地域やレストランによって様々なバリエーションが存在する。

 

Poulet rôti à la Provençale(プロヴァンス風ローストチキン)

オリーブオイル、トマト、オリーブ、ガーリック、バジルなどの地中海風の調味料で調理された、プロヴァンス地方の料理の影響を受けたローストチキン。

Poulet rôti aux Champignons(キノコ風味のローストチキン)

マッシュルームやキノコソースを鶏に組み合わせて調理し、クリーミーなキノコソースが鶏肉に豊かな風味を加えたローストチキン。

Poulet rôti aux Herbes(ハーブ風味のローストチキン)

鶏に新鮮なハーブ(タイム、ローズマリー、セージなど)を詰めたり、ハーブバターを塗ったりして風味を豊かに調理されたローストチキン。

Poulet rôti au Calvados(カルヴァドス風味のローストチキン)

ノルマンディー地方のカルヴァドス(リンゴのブランデー)を使用したソースで調理された、甘みとリンゴの風味が特徴のローストチキン。

Poulet rôti à la Diable(ディアブル風味のローストチキン)

マスタードやホットソースなどの調味料で味付けされ、ピリッと辛い風味を持つローストチキン。

 

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フランス料理といえば!定番のQuiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)とは

Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)とは

「Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)」とは、フランス料理の一つで、パイ生地を敷いた型に卵液(卵・生クリーム・牛乳)、ベーコン、玉ねぎを流し込んでオーブンで焼いたもの。一般的には付け合わせとしてサラダが添えられる。

Quiche(キッシュ)自体はフランス全土で広く知られる料理であり、ロレーヌ地方以外でも地域ごとに異なる具材やスタイルで作られている。その中でも、Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)は最もオーソドックスで、Quiche(キッシュ)の代名詞のようにも扱われる。

また、フランスではキッシュは、レストランやカフェのみではなく、パン屋や惣菜屋でも気軽に購入できる。

 

Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)の起源

Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)の起源は、その名前の通り、フランスのロレーヌ地方(Lorraine)にある。この料理の歴史は古く、中世から存在していたと言われている。しかし、具体的な起源については複数の説が存在する。また、ロレーヌ地方はフランス東部のドイツ国境近くに位置し、ドイツ文化の影響を色濃く受けている

一説によれば、Quiche(キッシュ)はもともとドイツのKuchen(クーヘン)という料理が元となっていると言われる。「Kuchen(クーヘン)」とは、ドイツ語で「ケーキ」を意味するが、地域によってはパイやタルトなどのペイストリーを指すこともある。

別の説では、Quiche Lorraine(キッシュ・ロレーヌ)は16世紀から17世紀にかけて、地元の鉱山労働者のために作られたエネルギー豊富な食事として始まったとされている。当時はチーズが含まれていなかったとされており、後にチーズを加えるバリエーションも登場した。

その後、キッシュ・ロレーヌはフランス全土に広まり、特に20世紀にはアメリカでも人気を博し、国際的な知名度を得る料理となった。

 

料理に関するフランス語単語集

これぞ王道フレンチ!古典的な魚料理Sole meunière(ソール・ムニエル)とは

Sole meunière(ソール・ムニエール)とは

「Sole meunière(ソール・ムニエール)」とは、フランスの伝統的な魚料理で、三枚おろしにした舌平目(シタビラメ)に小麦粉をまぶしてバターで焼いたもの。日本語では、「舌平目のムニエル」と呼ばれる。

フランス語の「Sole」は「舌平目(シタビラメ)」のこと、「meunière(ムニエール)」は「粉挽き屋風」または「製粉業者風」を意味し、小麦粉をまぶして調理するスタイルを指す。

一般的なSole meunière(ソール・ムニエール)の調理方法は、まず、新鮮な舌平目のフィレに塩とこしょうを振り、薄く小麦粉をまぶす。そしてバターで両面を軽く焼き、別のフライパンでバターとレモン汁、刻んだパセリを加えたソースを作り、ソースをかけてできあがりだ。

この料理はシンプルながらも、バターの豊かな香りとレモンの酸味が舌平目の繊細な風味を引き立てる絶品である。古典的なフランス料理として、高級レストランから家庭料理までさまざまな場所で楽しまれている。

 

Sole meunière(ソール・ムニエール)にまつわる逸話

今でいう料理研究家として、1960年代にアメリカの一般家庭に初めてフランス料理を紹介したことで知られるJulia Child(ジュリア・チャイルド)。彼女がフランス料理に傾倒するきっかけとなったのが、フランス滞在中に初めて食べたSole meunière(ソール・ムニエール)だったと言われる。

アメリカ人料理研究家のジュリア・チャイルドの半生と、一年かけて彼女の全料理に挑戦しようとする若きブロガーの姿を描いた映画『ジュリー&ジュリア』の作中でも、冒頭で、ジュリア・チャイルドがSole meunière(ソール・ムニエール)を食べて感激する様子が描かれている。

 

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ピザのような炎のタルト!?アルザス名物Flammekueche(フラムキッシュ)とは

Flammekueche(フラムキッシュ)とは

「Flammekueche(フラムキッシュ)」とは、フランスのアルザス地方発祥の伝統的な料理で、非常に薄い生地にフレッシュクリームを塗り、ベーコンや玉ねぎをのせてオーブンで焼いたピザによく似た料理

トッピングには、ベーコンや玉ねぎ以外にも、マッシュルームやチーズ、ハム、鶏肉などが使用されることもある。基本的にはシンプルな組み合わせが特徴の料理だが、地域や個々のレストランによって微妙な違いが見られる。

一見するとピザのようにも見えるが、非常に薄い生地で作られているためサクサク感が強く、ピザ生地は少し重いと感じるような年配の方でも楽しめるのではないかと思う。

 

Flammekueche(フラムキッシュ)の名前の由来

現在では観光名物としても知られるFlammekueche(フラムキッシュ)は、アルザス地方の農村部で生まれた料理で、かつては家庭で作られることが多かった。

ジブリ映画の『ハウルの動く城』や ディズニー映画『美女と野獣』の舞台ともなったアルザス地方は、フランスとドイツの国境地帯に位置しており、歴史的に両国の文化や料理の影響を受けてきた。

Flammekueche(フラムキッシュ)は元々、オーブンが普及する前に、農家の家庭の大きな焚き火(flammes)を使って調理していた。そのため、フランス語で「炎」を意味する「Flamme(フラム)」と、アルザス地方の方言であるアルザシアン語で「タルト」や「ケーキ」を意味する「Kueche(クーシュ)」が合わさって、直訳すると「炎のタルト」となる「Flammekueche(フラムキッシュ)」という名前がついたとされる。

Flammekueche(フラムキッシュ)はフランス語では「Tarte Flambée(タルト・フランベ)」としても知られ、日本では「フラムキッシュ」のほかに「フラムクーシュ」や「フラムクッシュ」とも呼ばれる。

 

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アレンジ自在のフランス料理Escalope de dinde(エスカロップ・ド・ダンド)とは

Escalope de dinde(エスカロップ・ド・ダンド)とは

「Escalope de dinde(エスカロップ・ド・ダンド)」とは、フランス料理の一種で、七面鳥の薄切り肉に衣を付けて焼くか揚げた料理のこと。英語では「Turkey escalope」とも呼ばれる。

Escalope」はフランス語で「薄切りの肉」を意味し、「dinde」は「七面鳥」を指す。

一般的な作り方は、薄切りの七面鳥の胸肉を軽く叩いて薄く延ばし、塩や胡椒で調味した後、小麦粉をまぶしてから卵とパン粉をつけて衣を付ける。その後、バターやオリーブオイルを熱したフライパンで揚げるか、焼く。レモン汁をかけたり、ハーブやソースを添えて食べる。

Escalope de dinde(エスカロップ・ド・ダンド)の調理方法はレストランやシェフによって異なることがあるが、フランスの家庭料理としても親しまれている。

 

Escalope(エスカロップ)とは

上述の通り、フランス語で「Escalope(エスカロップ)」は薄切りの肉を意味する。これは肉を薄切りにして調理する際に使用される用語であり、一般的には肉の種類によって異なる名前が付けられる。

例えば、仔牛の薄切りは「Escalope de veau(エスカロップ・ド・ヴォー)」、鶏肉の薄切りは「Escalope de poulet(エスカロップ・ド・プレ)」、豚肉の薄切りは「Escalope de porc(エスカロップ・ド・ポルク)」と呼ばれる。魚が使用されることもある。

Escalope(エスカロップ)の調理法は、調味料や衣を付けてから焼いたり、揚げたりすることが一般的であるが、様々なバリエーションが存在する。

特に、衣を付けて揚げるか焼くかしたものは、「Escalope à la milanaise(エスカロップ ア ラ ミラネーズ)」とも呼ばれる。これは直訳すると「ミラノ風エスカロップ」となるように、イタリア料理の「Cotoletta alla Milanese(ミラノ風カツレツ)」に由来する料理である。

 

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